HBR-1000開発(33) 輸入時のリスクについて
物を作る場合、日本ですべて調達するとコストがかさむため、海外で調達するのはもはや常識となっている。海外で部材を調達する場合は輸入のために輸送は必須となる。
その輸送が実は結構なリスクとなる。日本の国内の宅配便では荷物の取り扱いは丁寧なのが当たり前だが、これまでの経験(到着時の荷物の状況)から輸入における輸送ではおそらくかなり乱暴に扱われるであろうことが想定される。
当然出荷時にある程度のことを想定した緩衝材を入れてもらうのだが、それを上回ることが起きる場合もままある。困ったものだが、それが現実である。
今回の製造ロットでは、インダクタのコア割れという障害が出てしまった。輸送途上に上部から大きな圧がかかりそこにちょうど位置するインダクタが運悪くその圧をもろに受けた結果と想定される。
製造全数に対してはそれほど多くはないものの、全数チェックをする際に注意しなければならない。基板にプログラムを書込む際にLEDの点灯、ブザー鳴動をチェックする。それと併せてインダクタの状態も目視確認する必要があり手間が増えてしまった。
次回ロットの生産に向けて、輸送時のパッキング方法の改善検討も課題として取り組むこととしなければならない。モノづくりとは、単に設計製造だけではなく、輸送に対するリスクまで管理しなければならない。